防災対策の知恵【ローリングストック】

ローリングストックで災害時に備える

 

今回は昨今聞かれるようになってきた防災用家庭内備蓄。

「ローリングストック」は食糧ストックを消費&補充しながら維持する事です。目的は常に消費期限・在庫数を苦労なく維持する事です。どうしても日頃から意識しすぎて家庭内防災備蓄をしようとしても何年も経過して賞味期限を見ると切れていたりして商品が無駄になったりします。

こういう無駄を排除しながら日ごろから防災意識を忘れないようにするのがローリングストックです。

今回はリーリングストック歴4年の達人から多くのアイディアとノウハウをいただいたのでそれらも併せて紹介します。

 

長期保存品と中期保存品の違い

 

家庭内での防災用のストックをする時賞味期限の長さによって長期型と中期型があります。

 

  • 乾パン
  • 缶詰
  • 防災用飲料水
  • 防災専用食品

 

といった商品は数年単位で保存が出来ます。こうした商品は常時ストックするものとして考えられます。

 

  • インスタントラーメン
  • レトルト食品
  • 根野菜(ジャガイモ/玉ねぎなど)

 

等は数日ではなく数日以上~数か月の賞味期限で中期的な保存が効く品物となります。

インスタントラーメンやレトルトも賞味期限と食べられる期限は同じではないので賞味期限が過ぎたからといって食べられないという事は無いようです。

著者が某食品会社お客様センターに聞いてみると基本的に賞味期限内は美味しく食べられる期限という認識でお願いしており、食べられない事は無いとの事でした。

約半年以上は食べる上では問題ないように考えてあるといったニュアンスでしたので、ストックとして備蓄するのにも向いています。

 

災害の為に必要な食品は1週間分

 

既に多くの研究・過去データから考えると災害時には地震等が起こってから実際に救援・支援が来るまでの間の食料を確保する事を考えるべきで家族人数分の食料を1週間分程度用意する事が最適でしょう。

 

加熱が必要・熱湯が必要な食品は注意

 

災害はいつ来るか分からないので常に常備意識を持つのは難しいものです。日々の生活で無理なく自然に出来る備蓄が理想的です。日頃の生活の中で手軽で保存もしやすいものとしてカップラーメン・パックごはんなどがありますがこうした食品は熱湯・電子レンジが必要である点は見逃せません。

熱湯はガスボンベ式のコンロがあれば沸かせるので一緒に用意しておく事で安心できます。電子レンジを使うには電気が必要であることから発電機、ハイパワーのポータブルバッテリーなど停電していても湯が沸かせる、電子レンジが使える環境も事前に考えておく事が必要になってきます。

経験者の声を聞くと、最悪の場合屋外で火を起こして湯を沸かして対応した方もいました。最悪の場合加熱しなくても食べられるレトルトもあるし、カップ麺もそのままでも食べられたという話もありました。

 

冷蔵庫・冷凍庫は現場で役に立たない

 

日々の生活で電気に依存する生活になっていますが、災害時に停電する前提で考えたほうが無難です。停電が数時間で復旧するなら問題無いですが数日に及ぶ場合冷蔵庫・冷凍庫に入れている食品には注意です。

大量に準備すればするほど食べられなくなってしまいます。非常電源を完備した環境であれば問題ないですが一般的には冷凍庫に入れておいた食品は数時間で溶け出します。季節にもよりますが多くが2~5時間が限度と言われています。1日以上冷凍食品がそのままという事はありません。

特に真冬であれば外気が低いので長く持つ事がありますが真夏だと時間は短くなると考えられます。

また不用意に何度も気になって開閉してしまうと外気に触れるので時間は更に短くなってきます。

災害時は必要以外にドアを開閉しないほうが良いと言う意見があります。また余談としては冷凍庫には保冷剤や氷を多く普段から作っておくと長くもつという意見も頂きました。参考にしたいですね。

 

冷凍庫・冷蔵庫のストックは1日で使う分

 

災害時に傷んだ食品を口にして体調を崩すと大変です。冷蔵庫の食品は24時間以内に消費する事で使い切り冷凍庫のほうも同程度で消費するほうが安全です。過去の震災時に早くて半日で冷凍室が溶け出して水が冷蔵庫から垂れてきたという証言もあります。冷蔵庫のストックは被災時の初日で消費するイメージで良さそうです。

災害時は数時間で回復する事もあるし、数日その場で待機する可能性もあるので第一は健康・体調を維持する事です。病院も休止していたり混乱する事もあるので体調を維持する事を最優先にしたいところです。

 

冷蔵庫の中身で長期食べられる食品もある

 

冷蔵庫に常備する食品の中でも腐りやすい、腐りにくい食品があります。梅干し・たくあんなど塩分が多いものは傷みにくい傾向にあって、次に水分を多く含むものは傷みやすいという事があるので、乾物は腐りにくいですね。

なので日頃の冷蔵庫のストックや食品棚のストックも出来るだけ長期保存のきくものは揃えておくと役に立つかもしれません。チョコレートなどもカロリーが高く糖分も多く長期保存出来る部類なので常備しておくと良いですね。

 

ローリングストック食品の数々

 

ローリングストックを行う上でベースとなるのが長期保存食品・中期保存食品。短期保存食品は冷蔵庫・冷凍庫に入っている食品です。まずは冷蔵庫に入っているものを消費して、次に中期保存品を使う形で消費期限が迫ってくるものから消費すると長い時間空腹にならずに済みます。

 

  • 災害初日は冷蔵庫・冷凍庫の食品を活用する
  • 長期保存食+中期保存食をうまく混ぜて消費する

 

この2つのポイントを意識すると満足度の高い待機時間を過ごす可能性が高まります。すぐに食べなくても腐らない長期保存のきくものは後に回したほうが良いです。

 

冷蔵庫保存される事が多い短期食料例

 

  • たくあん
  • ハム・ベーコン
  • 自作加工料理
  • 牛乳
  • 野菜類
  • 肉・魚
  • 冷凍食品

 

冷蔵庫・冷凍庫内には日頃の調理で食べる食材で常に使うものがありますがこうした食材も無理の無い範囲でストック意識もしながら用意しておくと短期用食料として防災に役立つ事があります。

魚肉ソーセージなどもそのままで食べられる食品ですが、こうした日頃食べられて保存も聞く食品を見かけたらチェックしておきたいです。

 

中期常温保存食品の例

 

  • 根菜(ジャガイモ・玉ねぎ・芋・かぼちゃなど)
  • パン類
  • インスタント食品
  • 真空パック食品(カレー・米など)
  • ペットボトル水・茶・ジュースなど

 

長期常温保存食品の例

 

  • 乾パン・防災用食品
  • 防災用長期保存水
  • 缶詰
  • 乾麺類

 

消費期限に応じて「食べられる」期間に分けて考えます。家庭内に備蓄するのは人数分を1週間食べられる量でベースに長期保存するものを揃えておき中期保存食品を多めに用意するのが良いです。

中期保存食品は常温で数か月~1年程度もつ食品で考えて日頃自分達が好んで食べる商品を揃えると食の質を向上します。この中期保存可能な食品を日頃消費しながら補充をします。常に消費期限を一定にしておくのが大事です。

 

7日程度食べられれば良いので難しく考えない

 

ローリングストックの目的は防災用の食品確保ですが「気が付いたら食べられないものしかなかった」という事態を防止するのが目的です。7日間程度避難生活を耐えればその先は支援が期待できることから最低限7日間のストックがあれば良いと考えれば気負いせず出来ます。

 

  • 消費期限・数量を常に意識して確認する
  • 食べたら同じだけ補充をしていく
  • 日頃食べるもの・好むものを選ぶ

     

    特に日頃食べない、好きではない品物は消費するのが気が進まず在庫として残してしまって廃棄してしまう事が増えてしまいます。好きな銘柄のカップラーメンだとか、缶詰だとかお気に入りの食品を選ぶのも良いです。

     

    防災非常食も買いっぱなしにはご注意

     

    ローリングストックとは別に非常食セットを活用して万全の状態で災害に備えるのも良いことでしょう。防災目的で考案された食品は消費期限が長く様々な趣味趣向の品が開発されているので年齢・好みに応じて食べやすい商品が選べます。

    最も気を付けたいのがこうした非常食として購入したものは安心感と日頃食べないものであることから買いっぱなしで防災袋に入れて忘れてしまう方が多いです。

    気が付いて確認すると消費期限を過ぎていたという事例も多く非常食もローリングストックとして意識したいです。非常食は長期保存の部類なので他の長期保存食同様に、日ごろから在庫の管理と消費期限の確認をします。消費期限が近い場合は消費をして新しく補充しましょう。

     

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